神奈川県横浜市で、子どもに特化した専門性の高い心肺蘇生法(小児一次救命処置PBLS)研修を企画・開催しています。小学校、幼稚園、保育園等の児童施設への出張講習にも対応。
幼稚園/小学校教諭・保育士・養護教諭のための
子ども心停止の原因・特性を踏まえたやや専門性の高い救命講習です。
市民救助者向けの内容ではありますが、一般市民向けの普及啓発講習ではありません。業務レベルの内容と品質 で開催します。
わが子を助けたい親御さん向けというよりは、保育士、小学校教職員、養護教諭、放課後児童クラブ職員 のような 救護責務がある職業人 に特化した内容です。
具体的には、一般市民向け講習にはない下記に視点や内容を含みます。
心停止と蘇生法の理解、感染対策を踏まえた人工呼吸法(ポケットマスク/バッグバルブマスク)、CPRの質の管理、職員連携、注意義務と法的責任、記録と救急隊への引き継ぎ、シミュレーション訓練
子どもの心停止の原因は、大人と違って呼吸のトラブルに起因する低酸素によるものが一般的とされています。
そんな呼吸原性心停止を前提とした救命法が小児BLS(PBLS)です。
なんらかの原因で息ができなくなり、気を失い、やがて心臓も停まっていく…
そんな過程でAEDを装着しても「ショックは不要です」と言われる可能性が高く、AEDでは救命できないことが想定されます。
そこで必要なのが、体内に酸素を取り込ませるための《人工呼吸》です。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)は、血液中に溶け込んだ酸素を脳や心臓の細胞に送り込むためのもの。
血液中の酸素を使い切った状態で倒れている子どもの救命に必要なのは、胸骨圧迫に人工呼吸を組み合わせること。
子どもの救命に人工呼吸を省略することは推奨されていません。
昨今、人工呼吸をしなくてよい、とする救命講習が増えてきているようですが、これは感染を問題とするから。
親子間であれば、ダイレクトな口対口人工呼吸をすればいいですが、保育士などの業務時間内での職務上の救護では、感染リスクを回避した形ので人工呼吸法が必要です。
そこで本講習では、医療水準的に許容される2つの人工呼吸法として、ポケットマスク と バッグバルブマスク を使った人工呼吸法をトレーニングしていきます。
市中で開催されている一般市民向け救命講習は、自己完結を前提とした「一人法CPR」を基本としてます。現実問題、町中での救護で人は集まってきても、手伝ってくれることはあまり期待できません。
しかし、学校や保育園等での事故対応で、最初から最後まで一人ということはありません。
後から駆けつけた職員と役割を分担し、救命処置の質を上げて、助かる可能性を上げることができるのです。
そのため、本講習では他の職員と円滑に救助活動をするための連携の仕方をシミュレーション訓練を通して学びます。
1.子どもが命を落とすメカニズム
2.AEDでは救えないタイプの心停止(心静止、無脈性電気活動 PEA)
3.1歳から思春期までの子どもへのCPR
4.ポケットマスク人工呼吸法
5.バッグバルブマスク(BVM)人工呼吸法
6.心肺蘇生法におけるチーム連携と記録
7.総合シミュレーション
BLS横浜が専門とする小児BLSならびに業務用市民救命講習に関する取り組みは下記ブログ記事をご参照ください。