看護職向け患者急変対応コースの決定版AHA-PEARS(ペアーズ)プロバイダーコースG2020暫定版を、シミュレーション訓練を含めて神奈川、横浜、沖縄で開催しています。
Pediatric Emergency Assessment, Recognition, and Stabilization Provider
(小児)急変対応 評価認識安定化プログラム
病院内で起きる心停止は突然ではない。その多くに予兆、バイタルサインの変化がある。
そんな最新の病院内急変の考え方に基づいて作れられた、まったく新しいタイプの看護師向け急変対応研修です。
小児の動画が題材になっていますが、成人を含めた院内急変対応全般をカバー している内容です。
心停止に陥らせないため、変化に気づく力を身につけ、死へ向かうバイタルサイン変化のアセスメントを1から見直します。
アメリカ心臓協会(AHA)が、BLS/ACLS/PALSに次いで満を持してリリースした、最新の救急対応プログラムがPEARS® ペアーズです。
BLSやACLSが主に心停止後の対応を学ぶのに対して、PEARS®では心停止に至る危険な徴候を見極め、心臓が停まる前の早期介入を目指す新しいコンセプトの急変対応(心停止予防)研修プログラムといえます。
特に子どもは心肺停止状態に陥ってしまうと予後がたいへん悪いため、呼吸不全、循環不全の前駆兆候に気付き、その重症度を判断して、その場で適切な介入(安定化)をし、専門医に引き継ぐすばやい対応が救命の要となります。
ペアーズ・プロバイダーコースの特徴は、生命危機状態にある実際の患児の動画を見て、観察・評価の訓練を行うところにあります。
意識状態や表情、呼吸様式、皮膚色から、正常/異常を瞬時に評価する迅速評価(第一印象)。次いでバイタルサインを含めた A-B-C-D-E アプローチで問題点を探る一次評価アセスメント。それを実際の患者映像を見ながら、観察・アセスメントの訓練を繰り返します。
ACLSプロバイダーマニュアルやBLSプロバイダーコース内でも示されている通り、病院内で起きる成人の心停止の約8割は、突然の心室細動ではなく、防ぎ得たものであると言われています。
そして一度心停止に陥った人を救命できるのは2割以下(成人の場合)に過ぎません。そこで、病院内の患者安全を考える上で、「BLS教育からでいいのか?」という文化的な大きな転換点に差し掛かっています。
PEARS® コース中、映像症例で示されるのは小児(患児)ですが、アセスメント手法は成人患者を含め、すべての患者/傷病者に使える普遍的なテクニックです。
特に問診という手法が使えない乳児・小児をベースに観察と認知力をトレーニングすることで、より深くフィジカル・アセスメントスキルが鍛えられます。これは会話からは情報が取りにくい高齢者の身体評価にも有用です。
2019年6月より、PEARS® プロバイダーカードは 電子認証 eCard に移行しました。紙媒体のカードではなく、専用ウェブページと PDF データで資格を確認いただけます。必要な方は各自で PDF データを印刷して、賞状型とカード型の修了証を作成できます。BLS横浜では、印刷ラミネート加工を有償(1,000円)で承ることもできます。
注)トレーニングセンターによってはシミュレーション訓練を省略する場合もあるようですが、BLS横浜ではシミュレーション・トレーニングに力点をおいたPEARS®コースを開催しています。
などを含みます。
小児に起こりがちな呼吸系トラブル、ショックを中心とした緊急事態がメインテーマですが、傷病者評価の考え方や手法は小児に限らず、成人を含めた看護全般の患者アセスメントにとても有用です。
「なにかおかしい」という直観的な「気づき」を、どう発展させていくか、という「ベテラン看護師」が経験的に自然と行っている観察・思考パターンを新人ナースに短期間で合理的に身に付けてもらえる内容です。
看護師(小児科経験不問)、救急救命士、救急隊員、養護教諭等
・小児CPR+AED、乳児CPR(一人法〜二人法)ができること
・バイタルサイン(呼吸数/脈拍数/血圧/SpO2/意識等)の基礎理解と評価ができること
受講に際し、公式テキスト(PEARSプロバイダーマニュアル)は書店にてあらかじめご購入いただき、事前の予習をお願いしています。
テキストの ii ページに、PEARS®受講者用ウェブサイトのURLとアクセスコードが載っています。このサイトで、BLSや体系的アプローチなどの講習動画の一部が事前にご覧いただけます。
AHA蘇生ガイドライン 2020 暫定コース
2020年10月21日にアメリカ心臓協会から新しい蘇生ガイドライン2020が発表され、BLS、ACLS、PALS等は教材は刷新されましたが、PEARS®の教材(テキスト、DVD等)の改訂はありません。
次回の G2025 教材改訂までは、G2015版 教材を使用しつつ、G2020 の変更点を反映させた G2020 暫定コースとして開催いたします。
その他、BLS横浜では、講習時間を充実した学びの場となるように、メールベースで独自の事前学習のサポートを行っていきます。予習のポイントにつきましては、BLS横浜ブログ内の 「PEARS®プロバイダーコース受講に必要な小児BLSの基礎知識・技術」もご参照ください。
PEARS®プロバイダーコースの所要時間は約8時間です。休憩時間等を含めますと、開始から終了までは10時間程度となります。
BLS横浜では、シミュレーション訓練を省略せずに行っていますので、他団体の講習より時間は長めとなっています。
AHA PEARS® Providerカードを発行するためには、次の3つのテストに合格する必要があります。
・小児の一人法CPRならびにAED操作を含めた二人法CPR
・乳児の一人法ならびに二人法CPR
・ビデオベースのPEARS® 筆記試験
PEARS® プロバイダーコースで扱う内容は、看護/医療系学生のうちの初期に学ぶ解剖生理学の基礎とバイタルサイン評価を現場目線で捉え直すだけで、決して高度な知識や理解が求められるわけではありません。
しかし、限られた講習時間を有意義なものとするためには、前提知識として、人が生きるしくみと命を落とすしくみを再確認いただくことが望ましいと考えています。
そこで、BLS横浜では、受講が決まった方には、メールによる事前学習のサポートを行っています。
また、BLS横浜ブログの中でも PEARS® 領域の学習のヒントを相当数載せていますので、こちらもぜひご覧ください。→『BLS横浜ブログ PEARS®関連記事50編』
BLS横浜または提携の Child-Lifes 横浜 で PEARS® を受講いただいた方には、無料の復習参加 をご案内しています。
プロバイダーカードの有効期限内であれば何度でも無料で PEARS® コースにご参加いただけます。会場のスペースと練習用マネキンの数が許す限り、受講者と同じように練習していただいています。
申込みフォームから、通常の受講と同様にお申し込みいただき、コメント欄に「復習参加」と明記し、お手元のプロバイダーカードの受講日(カード発行日)も併せて記載ください。