BLS横浜は、米国ハワイ州アメリカ心臓協会トレーニングセンターの日本活動拠点です。神奈川、東京の他、日本全国でハワイ・スタイルの AHA-ACLS プロバイダー【1日】コース(BLS資格不問)を開催しています。
アメリカ心臓協会 AHA の ACLSプロバイダー G2020 コースを受講する方のための事前学習、予習の進め方、合格のためのポイントをまとめました。
※ACLS G2020 開催オプションについて
G2020 のコース改定により、開催方法が、ACLS(トラディショナル)コースと、ACLS(ノーマル)コースの2種類に区分されるようになりました。
BLS横浜では、2日コースは トラディショナル・コース として開催し、1日コースはより時間を短縮できる ノーマル・コース として開催していきます。
BLS横浜の ACLS1日 コースに参加する方は、受講前【自己評価】だけではなく、受講前【作業】も完了し、Webから取得できる修了証PDFの提出が必要となりますのでご注意ください。
ACLS受講準備【事前学習】のポイント G2020版
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アメリカ心臓協会公式のACLSプロバイダーコースは、受講条件として、当該ガイドライン準拠の ACLS プロバイダーマニュアル をひとり1冊持っている必要があります。(お持ちいただけない場合は講習当日であっても受講をお断りすることになっています)
他の参考書や、ガイドラインなどでは代替できません。
事前学習・予習を進める上でも、受講を決意されたら早めに ACLSプロバイダーマニュアル G2020 を購入しましょう。
ACLSプロバイダーマニュアル
【AHAガイドライン2020 準拠】 シナジー社刊 ¥11,330
※ガイドライン移行期間は日本語版教材が出揃ってから90日となっています。そのため、2021年10月1日以降は、旧版の G2015 準拠の ACLS プロバイダーマニュアルでは受講できません ので、ご注意ください。
約200ページのボリュームがあります。ACLSプロバイダーコースは事前学習を前提で進みますので、二次救命処置に関してある程度の知識と理解が必須です。
受講される方の属性や資格、バッググラウンド、経験にもよりますが、例えば、一般病棟看護師であれば 2〜3ヶ月ほどは準備期間を持ったほうが良いかと思います。
看護師でも、ER や ICU など、急変対応経験があり、日頃から心電図モニターに慣れている循環器病棟勤務などであれば、もっと短期間でも大丈夫でしょう。
タブレット端末やパソコン画面で読む電子書籍版も発売されていますが、端末種類と画面サイズ、文字サイズによりページ番号が一定でないため、講習中に必要なページを開いて参照してもらうという使い方ができません。
AHA受講要件としては電子書籍版でも構いませんが、BLS横浜では紙媒体の書籍版を前提としてテキスト参照を多用しますので、講習中の不便がある点ご理解の上、選択ください。
ACLSプロバイダーマニュアル2ページに書かれている通り、ACLSプロバイダーコース受講条件として、下記が求められています。
これらが受講前に必要な事前学習項目となります。
その習熟度を確認するための「ACLS受講前 自己評価」(事前テスト)がインターネット上に用意されており、70%以上の正答を得ることが受講条件となっています。
ACLSプロバイダーマニュアルを最初から1ページずつ読んでいくのではなく、まずは事前テストをやってみて、コースの全体像と難易度を掴んでから、学習を進めていく方が効率がいいかと思います。(事前テストは何度でも挑戦できます)
また、BLS横浜でACLS1日コースを受講される方は「ACLS受講前 作業」として、約3時間のオンラインビデオ視聴も受講要件としています。
1日コースを受講される方は、下記を参考に、
「ACLS受講前 自己評価」
「ACLS受講前 作業」
の2つをクリアしてください。(2日コース受講の方は後述の「ACLS受講前 自己評価」だけで構いません。)
ACLS プレワークは、G2020 版から新しく新設された項目です。
講習中に会場で視聴するほぼすべての映像教材を、事前にオンラインで見ることができるようになりました。
この予習はオプション(任意)ですが、主催側が設定する開催スタイルよっては必須項目となる場合がありますので、受講申し込みの際には募集要項にご注意ください。
BLS横浜のACLS2日コース受講の方はこの作業は不要です。
ACLS プレワークには下記の URL からアクセスできます。
ACLS受講前 作業
https://elearning.heart.org/ja/course/993
上記からアクセスできない場合は、下記の英語サイトから辿っていくと日本語ページに入れます。(2023年4月25日現在)
e-Learning の英語サイトにアクセス → https://elearning.heart.org
→ Courses(左上のメニューから)
→ Advanced Cardiovascular Life Support (ACLS) を選択
→ ACLS 受講前作業 - Japanese を選択(中段あたり)
→ Launch This Course
すべての動画は日本語吹き替えされており、下部には字幕キャプションも付きます。
各項目ごとに数問の復習問題が設定されており、すべてを視聴し、設問に答えると3時間ほどを要します。
すべてを修了し、前述と同じACLS受講前 自己評価も完了すると、修了証のPDFファイルを取得できます。時間短縮型のACLS(ノーマル)コースに参加する場合は、この修了証PDFファイルをプリントアウトして受講当日に講習会場で提示する必要があります。
事前作業の詳細は、ブログでも解説していますので、こちらをご参照ください。
→ ACLS【受講前作業】の進め方
「ACLS受講前自己評価」と呼ばれる受講に必須の事前テストは、下記の URL からアクセスできます。
ACLS受講前 自己評価
https://elearning.heart.org/ja/course/937
上記からアクセスできない場合は、下記の英語サイトから辿っていくと日本語ページに入れます。(2023年4月25日現在)
e-Learning の英語サイトにアクセス → https://elearning.heart.org
→ Courses(左上のメニューから)
→ Advanced Cardiovascular Life Support (ACLS) を選択
→ ACLS 受講前自己評価- Japanese を選択(中段やや上あたり)
→ Launch This Course
以前の G2015 版はテキストに記載されているコードを入力する必要がありましたが、G2020 版では認証手続きがなくなりました。テキストを購入する前に内容を確認することも可能です。
上記URLにアクセスすると、下記のようなページが開きます。
「このコースを開始する」という赤い部分をクリックします。「今すぐ購入」とありますが、無料なのでご安心ください。
アメリカ心臓協会 AHA の e-Learning システムを初めて利用する方は、最初にメールアドレスとパスワードを登録するログイン手続きが必要となります。
その後、下記のようなページとなり、事前テストが始まります。
改めて名前の入力が求められる場面がありますが、名前は必ず半角のローマ字 で記載ください。漢字(日本語)で入力すると最終結果画面で文字化けをして、誰のスコアか判別できなくなりますのでご注意ください。
このページは、大きく3つのパートで構成されています。
テストは何度でも挑戦できます。途中で中断する場合は、右上の「演習を終了」をクリックすると、データが保存されて、次回は中断箇所から再開することができます。
まずは、1回パラパラと眺めるつもりで、全体を見てみることをお勧めします。それにより事前学習に必要な内容と難易度が把握できるはずです。
受講日が近づいたら、最終確認として再挑戦し、3 項目とも 70 %以上の点数を獲得したことを示す結果ページを印刷して講習日に持参してください。
結果ページを A4 用紙に印刷すると、恐らく 3 枚ほどになるかと思います。特に最終部分にある3本の棒グラフのページが重要です。スマートフォン等で印刷ができず、画面キャプチャで結果を提示する場合は、必ず最後の棒グラフが確認できるようにお願いします。
心電図に関しては、ACLSプロバイダーマニュアルにはほとんど解説は載っていません。下記の不整脈波形については、判読できるように各自で学習を進めてください。
モニター心電図:
そして、どの不整脈がどのアルゴリズムと紐づくのかもイメージしておいてください。
特に徐脈/頻拍は、波形判断だけではなく、循環動態に影響が出ているかどうかが重要です。コース中では不整脈によって循環不全が起きている場合を「不安定な頻拍/徐脈」と表現しています。循環動態によってアルゴリズム上の枝分かれが変わってくるというあたりがポイントです。
また、不整脈ではありませんが、
について理解しておくことも欠かせません。心電図はパターン認識でもどうにかなりますが、PEAだけは暗記ではなく、しっかり理解し、説明できるようになっていてください。
PEA とはなにか? PEA はなぜ起きるのか? 発生機序を 2-3 の例を上げて説明せよ。またその状態から救命するにはどうしたらいいか?
事前テストでは、たくさんの薬剤がでてきますが、実技(メガコード)試験に関わる薬剤は下記の5種類だけです。
薬剤:
注意:投与量は日本国内と異なります。日本では、アトロピン(0.5mg)、アデノシン(ATP 10mg/20mg)です。筆記試験に出る場合は米国基準で表記されますのでご注意ください。
薬剤は、どの場面で使う薬なのか、用量・用法は? という点は少なくとも押さえておきたいところです。
その他、アルゴリズム図を眺めて、どんな判断・展開を行うのかをイメージしておいてください。
ACLSの実技試験はメガコード試験と呼ばれています。
コード code とはアルゴリズムのことを指しています。複数のコード、すなわち徐脈、頻拍、心停止、心拍再開など、複数のアルゴリズムを使い分ける能力を測るための試験という意味になります。
その試験の流れと評価項目は受講者マニュアルの中にも開示されています。
テキスト168ページから173ページにチェックリストが載っています。
たくさんあるように見えますが、パターンで言ったら3つです。
すべてのケースに、心停止(除細動有効)、心停止(除細動無効)、心拍再開後ケアは含まれていて、最初のケーススタートが、徐脈か、頻拍(安定)、頻拍(不安定)という違いだけです。
この3パターンのいずれかが実技試験として課されます。
それぞれの項目で何が求められているのか、事前学習の段階で意識しておくと良いかも知れません。
筆記試験は50問4択式です。84%が合格基準ですので、8問までの間違いが許容されます。
AHAガイドライン2015版から、テキストやメモなどの参照が可能となりました。(オープンリソース試験)
そのため、試験勉強として暗記の必要はありません。しかし、試験時間に限りがあるため、大事な点はすぐに参照できるようにテキストを読み込んでおくとか、講習中に大事だと感じた部分には付箋をつけるなどをすると良いでしょう。
こうしたことをきちんと把握しておいていただければ、短い講習時間の中で最大限の学習効果が得られるでしょう。
BLS横浜
AHA 公認 ACLS プロバイダーコースを、【1日】コースと【2日】コースに分けて、東京・神奈川を中心に公募開催しています。
□ ACLS【1日】コース・・・ 医師、クリティカル領域の看護師向け
□ ACLS【2日】コース・・・ 一般の看護師向け。心電図と蘇生科学の補講付き
※米国ハワイ州の AHA US Hawaii Region の ACLS プロバイダー資格を発行。
※AHA国際ルールに基づき、BLS プロバイダー資格は必須ではありません。
※受講希望者が4-6名いれば、日本全国の病院等への 出張講習 も行っています。
※1日コースに参加する方は ACLS【受講前作業】が必須です。修了証と自己評価スコアシートを印刷して当日に提出ください。