成人基礎心肺蘇生コース(胸骨圧迫only+AED)



成人基礎コースでは、大人に対する心肺蘇生法のうち、最小限必要な胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAEDの使用法に特化したコースです。

大人に多い心臓突然死の原因は心室細動と呼ばれる心臓のケイレンがほとんどと言われています。

心室細動は突然に発生して、数秒で意識を失い、倒れます。

倒れた直後には、肺や血液の中に酸素が残っていますので、なにより必要なのは胸骨圧迫(心臓マッサージ)で、酸素が含まれた血液を全身に、特に脳と心臓に巡らせてやることです。

そのまっさきに必要な心臓マッサージの処置が遅れてしまう理由のひとつが、人工呼吸の存在です。一般的な心肺蘇生法の手順の中では、人工呼吸をしてから胸骨圧迫となっています。そのため傷病者に口対口で接触しなければならない人工呼吸の段階で躊躇してしまうというのが大きな問題となっていました。

胸骨圧迫のみの心肺蘇生法は、誰でもいつでも実践できる蘇生法として、いま最も注目されている方法です。


人工呼吸の省略というと、マイナスなイメージがあるように感じる方もいるかも知れませんが、かえって蘇生にいちばん重要な胸骨圧迫の中断が少なくて、蘇生率は高いとする研究報告も出ていて、2010年の心肺蘇生国際ガイドライン準備に向けて、今も盛んに研究・議論が進められています。

日本では2007年6月に改定された心肺蘇生法の指針(ガイドライン)でも、感染防護具(フェイスシールドやポケットマスク)がなければ、人工呼吸は省略して、胸骨圧迫のみの心肺蘇生法を行なうように勧告されています。

また2008年3月には、心肺蘇生の国際ガイドラインを作成している学術団体「アメリカ心臓協会(AHA)」が、ハンズオンリーCPR(Hands Only CPR)という119番通報と胸骨圧迫だけの心肺蘇生法を提唱し、いまアメリカ全土で市民向けに盛んにPRが行なわれています。

地域蘇生率を向上させるため、現実的でいま最も注目される方法が、この人工呼吸省略の「胸骨圧迫only+AED」心肺蘇生法です。


講習時間:約1時間半

町中での一般的な大人の急変を想定しています。水難事故等に遭遇する可能性が高い方は成人標準コースをお薦めします。


















このコースは原則的に無料で実施いたしますが、蘇生練習用マネキンの人工肺や簡易フェイスシールド等の消耗品の実費(マネキン1体あたり1,000円+受講生一人あたり200円程度)、またインストラクターの交通費をご負担いただく場合があります。

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